【介護施設の選び方】介護施設・老人ホームへの入所!でも、費用が足りない!!そんな場合の対処法とは!?

いざ、必要に迫られ介護施設を探すと・・・

「えっ!?老人ホームってこんなに高いの?」

「とてもじゃないけど、年金だけじゃ賄えない」

「これじゃ、入れる施設なんてないよ」

介護度2の方で介護施設の利用料はひと月あたり約16万円が費用の目安となります。

意外と高いですよね。

本人の収入だけでは月々の費用が本人の収入で賄えない方は、

  1. 足らずの部分を家族が負担する
  2. 自宅で介護する

・・・、正直どちらも避けたいですよね。

今回は、実際に施設探しの相談員として働いてた私が、

  • 本人の収入が少なくても入れる施設と
  • その方法について

ご紹介します。

読み終わった後には、足らずの負担か、それとも自宅介護かの究極の選択から逃れることができますよ。

本人の収入だけでは賄えない場合の、補助と控除について

本人の収入だけでは、施設の費用が賄えない場合は、

  1. 負担限度額認定証を取得する
  2. 医療費控除が使える施設を検討する

以上の2点の補助と控除が使える施設を探すと同時に、1.の負担限度額認定証については要件を満たしたうえでお住いの自治体へ申請する必要があります。

では、この補助と控除についてそれぞれ確認したいと思います。

負担限度額認定証について

その方の収入に応じてお部屋代と食事代を補助する制度で、この制度を利用すればその方の収入内で施設の利用料を賄えます。

ただ、この補助を受けるには収入や資産に一定の条件があり、共通することは非課税世帯でなければならないということです。

負担限度額認定証について以下のサイトが詳しいです。

課税、非課税のラインはおよそ220万円ぐらいですので、それ以下の方は補助の対象となりえますので、市町村担当窓口へご相談ください。

ポイントは世帯単位で一定の条件を付けている点です。単身でも世帯ですし、夫婦でも世帯です。この制度を受けるために世帯分離をされる方も見受けられます。

世帯分離のメリットとデメリットについて以下のサイトが詳しいです。

医療費控除について

所得税には医療費控除の制度が設けられているのはご存じでしょうか。

介護保険施へ入所することで、この制度を利用することができます。

控除適用範囲は介護費、食費及び居住費となります。

以下のサイトが医療費控除について詳しいです。

設課税世帯で負担限度額認定証の交付に至らなかった方でも、対象になりますので、負担限度額認定証に比べると微々たる金額にはなりますが、少しでも費用を抑えるため取りこぼしのないようしましょう。

負担限度額認定証の使える施設

「介護療養型医療施設」、「介護老人保健施設」、「介護老人福祉施設」、「介護医療院」の4施設を介護保険施設と呼び、負担限度額認定証の補助と医療費控除が利用できる施設となります。

このうち、「介護老人福祉施設」にあたる特別養護老人ホームの医療費控除は1/2になります。

ちなみに、上記の介護保険4施設以外はいわゆる施設のようで実際は施設ではないため、以下の補助や控除は利用できません。あくまでも介護保険サービスが適用される集合住宅という認識が正しいかと思います。

介護保険施設に入所するには

とにもかくにも、補助や控除が利用できるため本人の収入の範囲内で入所でき、家族の持ち出しがないため人気があります。

また、入所の条件に介護度3以上、または、医療度の高い方など制限があり、すぐに入れる施設ばかりではありません。

しかし、中には、介護老人保健施設のように入所期間が原則3~6カ月となっているため、回転率が高く入所しやすい施設もあります。

負担限度額認定証のつかえてなおかつ、部屋の空きが出やすい「介護老人保健施設」「介護医療院」へいったん入所し、入所期限のない介護老人福祉施設への入所を待つのが現実的です。

補助と控除の使える介護保険施設の比較一覧

入居者の設定
介護度2 課税世帯(年間収入220万以上)

特別養護老人ホーム(多床室)

~10万円ほど

部屋代補助食事代補助医療費控除居室看護師  リハビリ洗濯オムツ代
有り有り有り(50%)多床室常駐常駐施設負担施設負担
入居一時金入所条件入所時期居住期間
無し要介護度3以上待機者多数のため長期待機永住可能

いわゆる特養と呼ばれる介護福祉施設で、規模は比較的大きく100床近い施設が多いです。

特徴としては負担減免や医療費控除などの公的補助が利用できるうえに多床室の為、費用は一番安く、その方の収入に合わせて利用料は変動するので家族の持ち出しがなく費用は抑えられます。

ただ、基本的に要介護度が3以上でないと入所できない点と、その利用料の安さ、退居期限がないことから入居待機者の人数は多い施設で数百人となっており、すぐに入れる施設ではありません。

入居を急がれている場合は、どこかいったん他の施設へ入り、入居の順番が来るのを待つのが現実です。

特別養護老人ホーム(地域密着型)

~15万円ほど

部屋代補助食事代補助医療費控除居室看護師  リハビリ洗濯オムツ代
有り有り有り(50%)個室常駐常駐施設負担施設負担
入所一時金入所条件入所時期居住期間
無し要介護度3以上待機者多数のため長期待機永住可能

前段の多床室型の特養との異なる点は、29人以下の小規模な特養で全室個室でもあり、その分、利用料も高くなっています。

利用料が高いからか待機者数が少ないので前段の特養と比べると入居しやすい印象です。

また、全室個室で各種補助が利用できるので、その他の施設に比べるとコスパは高いです。

要介護度3以上であれば、おすすめです。

老人保健施設(多床室)

~10万円

部屋代補助食事代補助医療費控除居室看護師  リハビリ医師洗濯オムツ代薬代
有り有り有り多床室多数常駐多数常駐常駐施設負担施設負担施設負担
入所一時金入所条件入所までの目安居住期間
無し要介護度1以上2週間原則3~6カ月

価格帯は多床室タイプの特養と利用料はほぼ一緒ですが、老健の場合、利用料にお薬代が含まれている分お得です。

また、医師や多数の看護師が常駐していることから、他の施設では受け入れできない胃瘻やレビンなど医療度の高い方も受け入れることができます。

リハビリが多数配置してあり、入所から3か月間は身体及び認知機能に対するリハビリを週5日程度受けることもできるのですが、これは、「元気になって家に帰ろう」という施設だからであり、居住期間は原則3~6カ月と短くなっています。

居住期間は短い分、退所する人もその分多く、老健同士の潜在入所者の奪い合いもあり、空床があれば入所しやすい印象です。

介護医療院

~10万円

部屋代補助食事代補助医療費控除居室看護師  リハビリ医師洗濯オムツ代薬代
有り有り有り多床室多数常駐多数常駐常駐施設負担施設負担施設負担
入所一時金入所条件入所までの目安居住期間
無し要介護度1以上2週間原則3~6カ月

介護療養病床の削減のため新設された介護保険施設です。元々介護療養病床で、現在は、老健と同じ機能を持った施設とお考え下さい。

介護療養型医療施設(療養病床)

~10万円

部屋代補助食事代補助医療費控除居室看護師  リハビリ医師洗濯オムツ代薬代
有り有り有り多床室多数常駐多数常駐常駐施設負担施設負担施設負担
入所一時金入所条件入所までの目安居住期間
無し医療度高め長期間状態が安定するまで

病院内にある介護保険を使った病床で、その特徴は気管切開や人工呼吸器など医療依存度の高い方にも対応している点です。

詳しくは、以下の過去記事をご覧ください。

まとめ

自宅介護か、足らずの家族負担か、究極の選択をしなくても済む方法でした。いかがでしたでしょうか。

介護保険の制度は難解です。

以下のような施設探しの助けになる施設検索サイトもありますので利用されてみてはいかがでしょうか。