「会社経営の成否の 50%は経営理念の浸透度で決まり、30%は社員のやる気を引き出す仕組み作りで決まる。戦略戦術は残りのわずか20%である。」
松下幸之助
と、経営の神様である松下幸之助氏も経営理念の浸透度の重要性について述べられております。
朝礼で法人の理念を唱和する機会があるのも、法人の理念を職員に浸透させるためではありますが、
あなたの施設では、法人の理念を共有できていますか?
私の場合、法人理念って一様に理想ばかりで良いことは書いてあるけど、抽象的で「だから、何?」ってことが、どこの法人の事業所でも多かった印象です。
私が介護職の時、欲しかったのは、法人の理念を達成するための施設としての目標だったり、また、そのための各職種の役割だったり、業務を進めるうえで問題にぶち当たったときに皆の力で解決できるような指針が私は欲しかったように思います。
では、そういうことで今回は、
朝礼で無駄に唱和しているだけなら、もったいない!!
もっと、コスパの良い法人理念の浸透方法がありますよ!
この記事では実際に介護職として朝礼で無駄に唱和し、高齢者施設の管理者として理念の浸透に悩んだ私の経験談から
『誰にでもできる、経営理念の浸透方法~施設理念の作り方~』3つのポイントをご紹介します。
- 法人の理念と基本方針から、キーワード(要素)をそれぞれ抜き出す。
- そうなるための、ビジョンと運営方針の策定
- 求める職員像とその行動指針の作成
読み終わった後に実践すれば、一致団結、間違いなし!?
施設理念の作成は集団の統制手段
社会科学における組織(そしき、(英: organization)は、共通の目標を有し、目標達成のために協働を行う、何らかの手段で統制された複数の人々の行為やコミュニケーションによって構成されるシステム[1]のことである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
つまり、組織とは、目標を共有し、その達成のために協働する、何らかの手段で統制された集団のことで、
その統制する何らかの手段とは、
施設の理念を作成することで法人理念を施設へ落とし込み、さらには、職員ひとり一人にまで浸透させることに他ならないのです。
どれだけ、ハイキャリアで、入居者に評判の良い、能力の高い職員を集めたとしても、法人理念が浸透せず違う方向を向いているのであれば、それは「烏合の衆」であって「組織」には成り得ません。
職員自主性はとても大切ですので、手段や方法は任せたらよいと思いますが、職員が方向性に迷った際の道しるべとして、どちらを向けばよいのか、施設理念を作成し目標を指し示しておくことは、施設を預かる管理監督者の責務となります。
法人理念から施設理念の作成方法
さて、その集団の統制手段である施設理念を作成しますが、あくまでも、法人理念とその基本方針を達成するための、施設としてどうあるべきかを考るので、
- 必ず、既存の法人理念から掘り下げ作成することにご注意ください。
- そして、浸透させるために一人でも多くの職員と作りましょう。
以上の2点を守り、下の図を参考に、思い切ってざっくりとで良いので作ってみましょう。
法人理念に関してはゼロから作るものなので一朝一夕にはできませんが、施設理念の場合は法人理念というベースがあるので作りやすいかと思います。
参考図
①施設理念の作成
まず、法人理念から施設の理念を考えましょう。
施設理念とは法人理念を達成するための施設のあるべき姿(使命)です。なるべく、簡素にわかりやすさを心がけましょう。
②施設の将来像を考える
そして、施設理念を達成するための具体的将来像を考えます。
③施設の求める職員像を考える
②のような施設になるためには、どのような職員が必要か考えます。
④要素を抽出
施設理念を鑑に、法人のの基本方針から要素を抽出します。基本方針をできるだけ短い言葉に要約します。タグみたいな感じです。
⑤施設の運営方針を決定
②のような施設になるために、④の要素にそれぞれ対応した⑤施設の運営方針=どのようなサービスを提供するか決めます。
⑥職員の行動指針を決める
③の求める職員像を鑑にして、⑤のようなサービスを提供するための、各職種の行動指針を定めます。
相関関係
まとめ
法人それぞれで法人理念の呼び方やその形は様々で、今回ご紹介した施設理念の作成方法は当てはまらない場合が多いかと思いますが、あえて一例として挙げたのは、
- 管理監督者の役目はいかにして『烏合の衆』から『組織』へと変貌させるかにかかっている
- そのための手段方法として施設理念の作成が有効
ってことを、言いたかったんです。
以上、『誰にでもできる!経営理念の浸透方法』でした。
追伸
もし、理念の作成に興味ありましたら、私は以下の書籍が参考になりました。